R-1ぐらんぷり2008雑感

やってまいりました。録画してたビデオを観ながら感想をつらつら。


COWCOW山田よし
COWCOW山田の田中邦衛のモノマネは『やりすぎコージー』とかで観てたけど、ネタは初見。
んー。いまいち。トップバッターだから、というだけではない気がするんだけど。
「4分つかって1人でいかにおもしろいことをするかを競うテレビの大会」の決勝戦のネタとして、
何だかいろんなものが物足りない。
ネタがどうこうというより、
邦衛のモノマネをしてそうで小堺一機ばりのモノマネになってないところがこっちの期待からそれてるのかなぁ…。
『やりすぎ』の邦衛はおもしろいんだけど。


世界のナベアツ
去年から今年にかけて何度みてきただろう世界のナベアツの「3のつく数字と3の倍数のときだけアホになる」ネタ。
でも、何度観てもおもしろいなぁ。ばかばかしい。
これは何なんだろう。
脚気の検査でひざの下を叩いたときの反射みたいな、
何だかぼくという人間の機械としての「笑」のスイッチを押されるようなネタ。
でも、4分間に耐えることができるネタか、っていうと、
やっぱりちょっと難しかったのかもしれない。


中山功太
個人的に最近おもしろいと思ってる中山功太
「お義母さん今度九州に旅行行きません?」
「大豆の丸みに心打たれて生きろ」
「アゲアゲ農民」
「『地図読める?』って聞いてるのに聞いてないオカマ」
おもしろいなぁ。
だけど、「落ち武者には大豆の丸みに心打たれて生きてほしいですね」とか、
一つひとつ前のフレーズに絡めておもしろいことを言っていくというのは、
やっぱりどうだったか、という気がする。
「上手すぎる」んだろうか。
たぶん、映像の笑いじゃなくて、文字の笑いなんだと思う。
だって、最後の自分の名前を対義語にするやつとか、
テレビ画面を通したら無駄にみえてしまう。


なだぎ武
去年の優勝者だけに、全員がスベらない限り優勝はなさそうな気がする、と事前に思ってたのだけど、
あー、なだぎ武はそういう視聴者が先読みしてしまうシナリオを裏切ってしまうのだな、と。


全体の構成が堅実な上に、
キャラも立ってて、
ベタな顔芸みたいなのも含みつつ、
ファミコンの2コンや宗兄弟とかみたいな細かい小ネタも散りばめて、
なおかつ、身体=フォルムの完成度もすごい。
斜に構えてる批評家然とした(ぼくのような)人間の批評眼(『エンタ』批判)すらも吸い寄せてしまう。
一つひとつの小ネタを見ると、
前にどこかで(というか爆笑レッドカーペットで)観たことあるネタの使いまわしだったりもするのだけれど、
そういうちっちゃな引っかかりに立ち止まらせない、緻密さに裏打ちされた強引さも持ち合わせていて。


なんか、完璧なものを観てしまったような気がする。
R-1という問いの正解を見せてもらった、というか。
テレビと動画サイトだけで「お笑い」に接している身からすれば。


鳥居みゆき
もうなんだか、ぼくはYou Tubeニコニコ動画でネタを一通り観てしまったので、
ブラウン管を通した賞レースの鑑賞では鳥居みゆきを評価しにくい。
そもそも、今の鳥居みゆきを賞レースのなかで評価するのはいかがなものか、なのだろうけど。


にしても、今回の鳥居は、いつもより力が入ってたし、少しテンポも速かったような気がする。
大竹まこと的に言えば、あと0.3秒くらい間があれば。
いや、あの早めのテンポも実は鳥居の計算どおりだったりするんだろうか。
…もう、わけわかんない。


まぁ、木下さんネタを地上波で観れたからいいや。
とか、もうそういうニコニコ視点の見方しかできないのが、にんともかんとも。


あべこうじ
何の因果かR-1の宿痾を背負い、
「正統」っていうジャンルを「正統」に引き継ぐことになってしまった芸人・あべこうじ
そんなあべこうじをもう、ぼくは期待の眼差しでブラウン管ごしにを見つめていたのだけれども、
2年前のウインナーのネタで味わったグルーヴ感はあまり感じることができずに、
芸人もやっぱり水商売なんだな、ということが、
いかんともしがたいくらいその画面にははっきりと全国ネットされてしまっていて。


でも、あべこうじは「ウインナーのネタをやった人」として終わる芸人じゃないはず。


芋洗坂係長
もちろん初見なのだけど。おもしろっ。
「楽しい」っていう現象をそのままゴロンと眼の前に突き出された気分。


世界のナベアツと同じように、
芋洗坂係長のネタも、もう反射的におもしろいやつなんだと思う。
たぶんぼくはこのビデオを何度みても笑ってしまうんだろう。
ただ、ナベアツと係長が違うとすれば、
ナベアツがぼくという人間の機械的な「笑」のボタンを押しているんだとするならば、
係長はぼくの脇腹を直接くすぐっている、という表現が合うような気がする。
ナベアツがすごく理知的だとすると、
係長はなんかすごい、触覚的。


なんだか久しぶりに、お釈迦様の掌の上に乗らずにテレビで笑った。そんな気がする。


土肥ポン太
んー。なんともかんとも「トリのネタじゃない」。
というか、トリという絶好の出順が活きないテレビの賞レースを初めてみた。



ということで、優勝はなだぎ武。号泣。
点数は次のとおり。


なだぎ武    474点
芋洗坂係長   472点
世界のナベアツ 469点
中山功太    459点
あべこうじ   454点
鳥居みゆき   451点
土肥ポン太   449点
COWCOW山田よし 447点


点数だけ見ると、
なだぎ、係長、ナベアツのトップグループだけちょっと頭抜けてる、っていうところだろうか。


なだぎ武芋洗坂係長の点数だけ審査員別に発表されていたので、メモ。


       なだぎ 芋洗坂
ダンカン    97   98
太平サブロー  93   93
間寛平     96   94
高田純次    95   95
月亭八方    93   92


接戦。っていうか、点数が詰まりつぎてないか?



にしても、なだぎ武がいい。
ネタはもう揚げ足をとる隙もないくらいおもしろいわけだけれども、
それより何より、テレビカメラの被写体となる芸人として、
なんだかすごくカッコよくなってる。
去年の今頃には考えられないくらい。


関西圏に住むぼくは、なだぎ武をテレビで観る機会が多いわけだけれど、
去年のR-1以来この1年で、
1人の芸人がテレビのタレントとしていい意味で「垢抜けて」いく過程を見てきたんじゃなかろうか。



とにもかくにもおもしろかった。また来年が、楽しみ。