運動家としてのマツコ・デラックス


マツコ・デラックスが画面上でときどき運動家にみえる,という話。


去年の『嵐にしやがれ』のクリスマス特番
マツコとミッツ・マングローブの他にクリス松村はるな愛が出てたのだけれど,
その場でマツコはこんなことを言っていた。

わたしとかミッツはまた別の系統から出てきたじゃない? だからIKKOさんにどれだけ踏み込んでいいものなのかしらねみたいな。


さらっと,IKKO的な「おネェ」と自分たち「女装家」的な「おネェ」が「別の系統」であると説明してる。


あるいは,3年前の『さんまのまんま』
ゲストのマツコはそこで,「ずっと女でいなきゃいけないわけじゃない」自分と,
他の「おネェ」たちを比較していた。
「自分よりはKABA.ちゃんのほうがフェミニン」とか,
はるな愛みたいに体も女にしたいっていう人もいる」とか,
「自分が女になった上で女が好きっていう性転換願望のレズビアン願望の人もいる」とか。


その上で,次のように語っていた。

ほんっとにね,白から黒のあいだにね,いっぱいグレーゾーンがあって。人によってぜんぜん種類がちがうの。(中略)だからわたしもよくね,話の流れで簡単に「オカマ」って一言で言っちゃうけど,ほんっとに種類があるから。それはね,こんなにテレビにオカマがいっぱい出ておきながらこんなこと言うのもあれだけど,ちょっと予備知識としてあると,もうちょっと楽しめるわよいろいろ。


さらっと,「おネェ」(マツコはこの番組のなかで一貫して「オカマ」と言ってる)にくくられるタレントたちの間に,
いろんなちがいがあることに言及している。


発言の意図や参照元はあまりよくわからないし,
番組の流れのなかでの発言なので,あまり深く考えなくていい気もする。
けれど,マツコ・デラックスのこれらの発言が,
テレビ画面上での「おネェ」のステレオタイプな見方に違和を差し挟むものであることは確かだろう。
そしてそれは,テレビを「もうちょっと楽しむ」ための「予備知識」を提供することでもあったり。


マツコ・デラックスはときどき,視聴者を啓蒙する運動家にみえる。