先週みたテレビ(3月24日~30日)

SMAP×SMAP』(3月24日)

 

 泥酔の一件以来、禁酒を続けていた草彅剛。『いいとも』終了直前のタモリがビストロスマップに「来店」したこの日、「もういいだろ、禁酒もういいよ今日から」というタモリの一言で、その禁は解かれた。中居にビールの味を聞かれた草彅は、「…うれしいですホントに。ホントにうれしいです」と喜びを噛みしめる。「許してほしければ土下座しろ(ホントは許すつもりないけど)」みたいなこともしばしばあったりするなかで、なんだかとても印象的な「許し」の場面。

 だけれど、「許し」が必要となるような罪とはそもそもなんだったのか。それは社会に「ご迷惑」をおかけしたという理由で、広く叩かれなければならないようなものだったのか。今では泥酔の一件はもっぱらネタとして流通しているにすぎず、社会的な糾弾のあり方についてあれこれ議論があったことは、すでに忘却の淵にある。テレビのこちら側はあの「ご迷惑」を、「許す/許さない」以前に、ただ「忘れた」のではないか。

 であれば、「禁酒もういいよ今日から」という言葉でタモリが遂行したのは、かたちの上では「許し」でも、本質的には「許し」ではない。課した当人が「忘れた」罪を、誰が「許す」ことなどできるだろう。

 では一体、タモリは何をしたのか。草彅は何に感涙しそうになったのか。そして、一連の場面をみて感動してたりする、テレビのこちら側はなんなのか。

 

笑っていいとも!』(3月27日)

 

 次の日のテレフォンショッキングのゲスト・黒柳徹子と、この日のゲスト・小泉今日子の電話口での会話。徹子の第一声は「じぇじぇじぇー」だった。

 テレビで久しぶりに聞いた気がする「じぇじぇじぇ」。旬の言葉とずうとるびの話題を挨拶に盛り込み続けて数十年の『笑点』の山田隆夫も、すでに「じぇじぇじぇ」は言ってない。ことほどさようにテレビは飽きっぽい。しかし徹子は忘れない。

 

 『笑っていいとも!』(3月28日)

 

 徹子は今日も飽くことなく動物と話す。タモリにもなつかないタモリ邸のネコを自分になつかせ京劇のマネで中国から来たオオカミの気をひき友だちのカワウソに会いに上野動物園に行き旭山動物園でシロクマのイワンくんの恋仲を取りもつ動物だって話せばわかるがその信条。徹子の魂は種のボーダーを越え、日々さまざまな動物へと渡り歩いているのかもしれない。徹子はネコに、オオカミに、カワウソに、シロクマに、本当になっているのかもしれない。

 でも、そんな徹子もサイにはなりたくないと言う。なぜならサイには感情の動きがあまりみられないから。そういえば以前、『徹子の部屋』のやめどきについてこんなことを語っていた。

 

私も『徹子の部屋』をいつまで続けるかっていうのは,何年,何年って…,それよりも,私がやっぱりみなさんのお話きいてね,心動かされるようなことがなくなったらやめたほうがいいなと思ってるので。(『徹子の部屋』2013年12月2日

 

 『徹子の部屋』が終わるとき、それは徹子がサイになったとき。