先週みたテレビ(1月26日~2月1日)

『デート』第2話(1月26日)

 

 長谷川博己が演じる高等遊民な谷口巧のプロポーズ「ボクと結婚してボクを養ってください」。

 それを受けて、杏が演じる合理主義者な藪下依子は「お断りします」とバッサリだった。

 

 だけれど、同じく杏が主人公・め以子を演じた朝ドラ『ごちそうさん』では、

 め以子は「あなたを一生食べさせます」とプロポーズしていたのだった*1

 

 食べさせない杏と、食べさせる杏。

 

 そしてこれは食べる杏。

 

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 ネギでソバを食べる杏。

 

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 食べるコーナーが終わってもワイプのなかで黙々とソバを食らいネギをかじる杏。

 

『オモクリ監督』(2月1日)

 

 そんな杏が審査委員として出演して、

 文字に起こしたくなるような審査員コメントを残した先週1日の『オモクリ監督』に、

 日本エレキテル連合の2人も短編作品を発表していた。

 で、その作品は、とても芸術度が高く、作家性が強いものだったのだけれど、

 それに対して審査委員長のビートたけしは、

 「頑なに自分たちの世界を描き続ける方がいい」とコメント。

 なぜなら「多数決の時代だから、少数意見でもひっくり返すことがある」から*4

 

 そういえば、ジャニーズのなかの少数派*5であるところの風間俊介が、

 『ニッポン戦後サブカルチャー史』の最終回で、

 宮沢章夫の講義を振り返って総括的に次のように語っていた。

 「マイノリティだったものがだんだん人びとの支持を得て、メインのカルチャーになっていく」

 「マイノリティの人たちの力っていうのがサブカルチャーの力なのかな」*6

 

 なるほど、少数派はときにひっくり返す。

 

『ミレニアムズ』(1月31日)

 

 先々週はそんな風間俊介がカスママのコーナーにゲスト出演して、

 誰かと誰かのつなぎ役になろうとする人のダサさを語っていた『ミレニアムズ』*7

 先週31日には柳原可奈子がゲストとして同コーナーに出演していた。

 そして、「卑屈ばっかり求められて、絶対アイツら卑屈疲れしてると思うんですよ」*8と、

 オードリー・若林や南海キャンディーズ・山里など、

 テレビの内外で世間に対してナナメ目線なポジションをとってきたメンバーをツッついていた。

 

 そのツッつきを受けて、若林はナナメ目線を自分に反転させる。

 いわく、ハロウィンの仮装をイジることはもはやナナメ目線ではなく王道ではないか*9

 あるいは、子どもの写真を貼ってる年賀状にムカついたらもう人として終わりではないか*10

 

 確かに少数派はときにひっくり返す。

 けれど、ドラマ『デート』の高等遊民の物言いをマネるならば、

 汝が深淵をのぞくとき、深淵もまた汝をのぞいているのだ、by ニーチェ

 少数派がひっくり返すことは、多数派にひっくり返されることと連続しているのかもしれないし、

 「ナナメの夜明け」*11は「ナナメの日暮れ」と地続きだったりするのかもしれない。

 でも、夜明けと日暮れを繰り返した先には「ナナメの白夜」が訪れるのかもしれない。

 そんな白昼夢。