マツコとテレビの弁証法 : 先週みたテレビ(2月16日~22日)

マツコの知らない世界 2時間SP』(2月17日)

 

 マツコ・デラックスは動物が嫌いだった。

 少なくともこれまではそのように言っていた。

 

 当人いわく「アタシ以外の生命はアタシの家のなかにはいらないのよ。植物もいらないの」。

 なぜなら、自分には別の命に対する「責任がとれない」から*1

 

 あるいは、「死んだ生物っていうのがダメなの。かといって生きてる生物もダメ」*2

 なぜなら、「命ってものを、自分が抱えてしまうことに対する恐怖感がすごい」から*3

 

 だけれど、そんなマツコが先々週、

 「ペット飼いたくてしかたない」と話していた*4

 「アタシ以外の生物が(部屋に)欲しい」と語っていた*5

 

 果たして何があったのか。

 

 こういうことがあったのかもしれない。

 

  f:id:onodan:20150301220156j:plain*6

 

 先週17日に放送された『マツコの知らない世界』で、

 「室内ペットの世界」を堪能したからなのかもしれない。

 

マツコ&有吉の怒り新党』(2月18日)

 

 なるほど、これまでもそうだった。

 以前よりも食が細くなった、と語っていたこともあった*7

 体調管理に気をつけ始めた、と話していたこともあった*8

 

 マツコはテレビに変化を刻む。

 

 で、先週18日の『マツコ&有吉の怒り新党』。

 「ズルい人」についてのマツコと有吉の会話。

 

マツコ「いいお父さんがいて、いいお母さんがいて、子どもはいい小学校、中学校に入ってて、犬がいて、まあそこそこの家に住んでて、なんとなく型に収まったなかで一番うまいことやってね、田園都市線に住んで、たまプラーザからバスで10分いったとこに住んでさ、オレは田園都市線に住んでるんだっていうのでさ、逃げる人っているじゃない」

有吉「それはズルいね」

マツコ「…でもあんな暮らししたいもん」*9

 

 そんなこんなで、冒頭に引いたような、

 「どうがんばっても自分がなれない姿であるものに対して、噛み付くのよ人間ってのは」

 という発言がマツコから出てくる。

 

 マツコはテレビに変化を刻む。

 その動因はひとつに嫉妬だったりするのかもしれない。 

 

 だからマツコがそのうち、

 ふわとろのデミグラスソースがかかった原宿のオムライスが大好き、

 ということを言い始めたとして、

 ぼくはそれを否定することはできない。