屁理屈とママタレのキラキラ : 先週みたテレビ(2月23日~3月1日)

『ミレニアムズ』(2月28日)

 

 「キラキラ部門から逃げ出したから、いまお芝居やってて」*1

 ジャニーズ事務所に所属しつつ歌やダンスから距離をとった芸能活動を続ける風間俊介は、

 自身を今の立ち位置をそう説明する。

 

 そんな風間が先々週と先週の『ミレニアムズ』のコントに参加し、

 屁理屈間俊介・准教授として自らの卑屈さを発信して笑いをとっていた。

 なるほどそれは「キラキラ」から少し距離があるように見える。

 

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 だけれど、風間は以前こんなことも言っていた。

 「ディズニーランドで働きたかったです」

 「あのなかにいれればって、子どものころからずっと思ってました」*3

 

 結婚式で喧伝される愛の物語の虚構性を指摘したりする、

 そんな屁理屈間俊介という着ぐるみ*4

 それは風間にとって「キラキラ」した夢の世界のミッキーマウスだったりするのかもしれない。

 

 『めちゃ×2イケてるッ!』(2月28日)

 

 「キラキラ」というワードにかこつけて一方的な断言から始めるけれど、

 ママタレントとはママであることを「キラキラ」に変える仕事である。

 つまり、日常から遊離したなんだかステキなものとしてママを演出する仕事である。

 

 だけれど、先々週の『ボクらの時代』では、

 ママタレントへの新規参入事業者であるところの松嶋尚美が、

 子どもをどの学校に通わせるかをめぐってママ友の間で牽制がある、というような話をしていた。

 公立、私立、インターナショナルスクール、「どこに入れても文句言われる」と*5

 あるいは、同番組で鈴木紗理奈は、次のように語っていた。

 「私も一番トーク弾むの、息子の教育のことやから。この学校の場合はこうでああで…」*6

 

 なかなかシビアな話だなと思った。

 

 あるいは、鈴木は先週28日の『めちゃイケ』で、

 息子をインターナショナルスクールに通わせているということ、

 その学費は一般的なインターの相場、月額125万円よりも上であるということ、

 知育系・運動系・芸術系と習い事もいろいろさせているということ、を話していた。

 そしてそういった子どもの教育への高い意識は、

 「(子どもの)可能性を広げてあげたい」という親の思いに基づくものである、と。

 

 もちろんそれは『めちゃイケ』によって「暴露」的に話をさせられていたのだし、

 鈴木の過去のヤンチャな行動を引き合いに出した「ツッコミ」で笑いに変換されていた。

 でも、世帯所得が関係する学校選択の話、教育への投資の話は、

 ママタレントらしくない、あまり「キラキラ」していない話題ではある。

 

 「キラキラじゃなくて、ギラギラのクラクラだったの」とは、

 「キラキラ」な生活に成り上がって変わってしまった自身と家族を悲しみと共に振り返る、

 そんなアニメ『キルラキル』第7話での満艦飾マコのセリフだったけれど*7

 なるほど、「キラキラ」と「ギラギラ」は連続している。

 だから世相の、というか首都圏の教育市場の動向によっては、

 ママタレントのトレンドも「ギラギラ」な様相を色濃くしていくのかもしれない。

 

 そしてそのとき人は思うのだ。

 「キラキラ」の方がまだよかった、と。

 辻希美の子育てブログには見るものがあった、と。

 

 それもちょっとどうだか。