2023年4月にみたテレビ

2023年4月はいつもの月よりテレビがみられなかったのですが、それでも結構みました。で、おもしろかった番組については日刊サイゾーの連載で書いたりしているのですが、触れられなかったものも多いので、これはそういった番組のなかからいくつかについて短めに触れる記事です。先月みたテレビの落穂拾いです。

 

『マルコポロリ』4/2

ランジャタイが許せない。という企画からはじまったはずだけれど、とにかくなによりスーパー3助。オープニングで奇声を発していた3助は、徐々に自己省察モードに。番組のなかで人間が”急成長”する1時間。おもしろかった。

 

『カワシマの穴』4/2

昨年末に放送された番組の第2弾。ディープフェイクの技術をつかったバラエティ。今回は、アレクサンダーや彦摩呂原田龍二らのロケVTRの顔をすげかえて、フットボールアワー・後藤がロケしてるようにみせていた。

よくある顔をシールみたいなので隠したVTRを延々みて「誰でしょう?」とやるやつの、逆というか裏というか対偶というか。おもしろい。たしかにおもしろい番組だ。が、本当はどういう種類のおもしろさなのか、どういう可能性があるのか、製作する側も出る側も、もちろん見る側もふくめてまだ誰もしっかり掘り当てていない感じもする。「まだなんかもっとある」を予感させる。それを探り当てていく楽しさ、あるいはそれを出演者らが探り当てていくさまを現在進行形で見るおもしろさみたいなのも感じるが、それはおそらくいまこのタイミングで見ておかないと味わい損ねてしまうやつだろう。

 

NHK MUSIC SPECIAL 坂本龍一プレイング・ザ・ピアノ』4/4

坂本龍一が亡くなったことをうけ、今年正月にNHK総合で放送されていた番組を再放送。世界から人がいなくなって、世界に作品が残る。すごいことだ。文字面ではそういったことは理解していたつもりだったけれど、その凄みをはじめて身体で受け止めた感じ。「凄み」みたいな言葉もあまり使いたくない。

 

『キョコロヒー』4/3

放送開始から2周年記念。シソンヌ・長谷川を迎えて「クイズ!ヒコロヒー」。のはずだったが、いつのまにかお悩み相談に。おもしろかった。長谷川のおもしろさをまだあまりうまく言葉にできないのがもどかしい。

 

イワクラと吉住の番組』4/4&4/11

妄想自叙伝。イワクラと吉住が自分の自叙伝の内容を妄想する。タイトル、目次、表紙、帯まで作り込む。とてもおもしろい企画だった。特に吉住の自叙伝。終盤でファンタジーというかホラーというか、とにかくフィクションになって「実はこの”自叙伝”ははじめから全部嘘だったのかもしれない」とひっくり返す。自分語りを避けながら自分語りをする。構成フェチ、自己言及無限背進フェチとしてはたまらなかった。なんだそのフェチ。

 

『あちこちオードリー』4/5

ゲストはブラックマヨネーズ。おもしろかった。おもしろかった以外ないので、いくつかただただ引用。

M-1優勝は18年前)

吉田「たいがいの動物は生まれては死んでる」

吉田「こないだ、息子9歳やけど(M-1で優勝したときの漫才を)みせたら、俺のこと『天才か』って言っとったもんな」

吉田「こんな美肌ブームで。俺もう無理や」

小杉「それで無理やったらとうに無理やかから大丈夫や」

吉田電気屋いって8Kのテレビとかみてみ。無理やって」

小杉「画面も綺麗になってるしな。デカなってるしな」

吉田「みえんでええもんみえてるやん。ハチの産毛みえてるやん」

若林「他の芸人さんのネタみて、うらやましいとか思わないですか?」

吉田「人の漫才みてうらやましいかどうか……」

若林「もう思わなかったりしますか?」

吉田「ちょっと発想にもなかったな、いま。何が人生ついてたかっていったら、ホンマに小杉ちゃうかな。おもろい漫才みても、これ時間かけて小杉と楽屋とかであの作り方やったら、まぁまぁできるやろうなっていうのは、なんかある。それをやるには大阪で、大阪のNGKの楽屋が一番俺らネタできたんよ。M-1の前から。それやるには、その時間いっぱいとりたいねんけど、(小杉は)東京に住んでるやろ? だからもう、終わっとんねん」

小杉「終わってるってなんやねん!」

 

『ヤギと大悟』4/7

レギュラー初回。特番時代と変わらないポポと大悟の雰囲気。特番からレギュラーになって趣向がいろいろ変わる番組もあるけれど、ヤギの食の傾向が変わるのはこの番組だけ。

 

オールスター感謝祭』4/8

人数がコロナ禍前に少し戻ってきた『感謝祭』。坂本冬美の「こーんにーちはー!」はズルい。にしても、粗品

「ところで今田さん。みなさん忘れてると思うんですけど、最初の卓球の企画で水谷選手が自分が打ったサーブ、ニヤニヤしながら解説してた感じ、あれ今回もめっちゃキショかったですねぇ」

悪い。「今回も」ってとこがさらに悪い。

 

『オールスター後夜祭』4/8

こちらも少し人数が戻ってきた『後夜祭』。全員で逃走中みたいな鬼ごっこをやったり、体重を図るために芸人がたくさん前に出てきたり。やっぱりこの番組は芸人がごちゃごちゃしてるのがおもしろい。

あと、スタッフが見切れたり、全然違う映像が途中で挟まったり、スタッフの怒号が飛んだり。なんか引っかかるな、と思ったらそれはクイズの仕込みでした、というやつ。ちょっとしたことを”放送事故”と呼んで沸き立つ視聴者をいじってくる感じ。そのいじり方がちょうどよかった。

 

『脱力タイムズ』4/14

ツッコミ役の芸人にダイアン・津田。母ゴイゴイスーこと津田の母親が登場。参観日と称して、津田の後ろにずっとついてたり、指示したり。最後はやっぱりMCごんのすけ(ユースケ)とラップバトル。謎の呪文「ラブラブラブラブピース」を連呼する津田母。なにかと思ったら、「平和祈ってんの」。最高。

 

『オールナイトフジコ』4/14&28

放送圏外なので配信でみた。『めちゃイケ』の終盤でも繰り返されていた「時代の顔色をうかがわない」みたいなフジテレビのノリを感じる部分もあって、あのノリはどうも昔から自分のなかで座りが悪い。自己規制を「時代が規制を強いている」に読み替えてファイティングポーズをとっているように見えるからだろうか――と、フジテレビを叩いてお手軽に”わかってる風”を醸し出すのも自己演出されたファイティングポーズなわけだけれど。

なにはともあれ、深夜の関東ローカルのちょっと”お色気”もあるような番組が全国どこでも配信で見られるようになったところに、改めて時代の流れを感じる。

あと、28日放送の同番組にはちょっとだけ林家三平が出ていた。先日の『ぽかぽか』出演だとか、三平のテレビのなかでの”武者修行”はもっぱらフジテレビでやっている印象がある。

 

『ランジャタイのがんばれ地上波』4/18&25

催眠で遊ぶ企画。催眠をかけるのはもちろん十文字幻斎。バラバラ大作戦に出がち(©レイザーラモンRG)な、かもめんたる・槙尾が不憫すぎて笑ってしまった。

国崎「槙尾さんはすでにかかってますもんね、催眠」

槙尾催眠療法っていうので、相方のう大さんとうまくいく感じの催眠を(プライベートで)かけていただきました」

みなみかわ「う大さんの言うことに疑問を抱かないっていう催眠」

さらに、飲み物を飲んだら幸せな気分になれる催眠をかけられるも、幸せな気分にどうしてもなれない槙尾。

十文字幻斎「幸せっていうイメージをそこまで鮮明に思い描けなかったっていうことです。かなり悲しい方です」

十文字にもいじられる。輪をかけて哀しい。

 

徹子の部屋』4/19

ゲストは柳沢慎吾若山富三郎萬屋錦之介など昭和の大スターとのエピソードをひとりで再現。スタジオの観覧客だかスタッフだかと黒柳徹子が同時にこんなに笑ってるのはめずらしい気がする。若山富三郎萬屋錦之介も世代じゃないからよく知らないのだけれど、なんだか笑っちゃう。

あと、ひとり甲子園と呼ばれることがあるネタというかなんというか、とにかく「あの柳沢慎吾の甲子園のやつ」としか言えない後継者もいないアレ。本人いわく、アレをテレビで披露したのは『徹子の部屋』がはじめてだったらしい。その後、ほかの局でも呼ばれてやるようになったが、長すぎてカットになることも多かったのだとか。なお、『徹子の部屋』ではじめてやったときは、10分もアレをやってたらしい。

『ぽかぽか』のトークゲストに出ていたときもおもしろかった柳沢慎吾。『ぽかぽか』のトークも相当たっぷり時間をとるから、やっぱり彼のおもしろさを存分に発揮するには十分な時間がいるのだろう。やっぱりアレは定期的に長尺でみたい。

 

『あのちゃんの電電電波』4/20

ミュージシャンをゲストに招いてトークする、あのの新番組。元ノラ猫・ササキ(人形)の声を霜降り明星粗品が担当。あののラジオに霜降り明星がゲストに来たときも思ったけれど、あのと粗品の掛け合いがおもしろい。

粗品「どんな番組にしていきたい?」

あの「えー、なに? どんな番組? えっとー、子どもも大人も楽しめる番組(笑)」 

粗品「思ってへんやろ」

ツッコミながら、あのの裏腹な言葉の解読書を書いている感じ。たぶん、いまこの時代に粗品にしかできない仕事。

 

あさイチ』4/21

プレミアムトークに作家の西加奈子。カナダに留学していたらしい。同時期に留学していた光浦靖子の様子について語っていた。

「あっというまに友だちつくってました、彼女。人気者でした」

「いま彼女、シェフの学校行ってるんですよ。朝も5時とかに起きて行って、ずっと玉ねぎ刻んだり鍋振ったりの学校に行ってるんですよ」

「彼女はホントにすごいです。生粋の…芸人さんっていう言い方はアレなのかしら、日本語でしゃべってても、私たちの友だちのカナダ人の日本語がわからない友人も笑ってました。ホントにスーパースター」

また、留学中に乳がんが見つかり、現地の病院で入院・手術したのだとか。そのときのことは新刊のノンフィクション(『くもをさがす』河出書房新社)で書かれているそうなのだけれど、番組でもエピソードが紹介されていて、それがとても印象的だった。ちょっと長いけれど、引用。

「私、がんの告知をされる前から漢方を、すばらしい先生に出会って漢方をずっと服用してたんですね。抗がん剤がはじまってもその先生が西洋医学の知識もあるので、抗がん剤の副作用は最小限に収まるように漢方を処方してくださってたんですよ。その話をしたら、インターンの医師の女性が、もしかしたら漢方の成分が抗がん剤の成分とちょっとよくないかもしれないから、できたらやめてほしいねんって言われて。でも私はホントにその漢方が心の拠り所だったので、勇気を出して『拠り所やからやめたくないねんけど』って言ったら、『そうなんや、ほんならええよ』みたいな。すっごい簡単に言われて。逆にこっちが『え、ホンマにええの?』って聞くぐらいで。彼女がそのときに『加奈子の体のボスは加奈子やねんから、決めるのは加奈子やで』って言われて。ホントにこの姿勢は彼女たちからずっと感じました。もちろん彼女たちはプロフェッショナルですし、たとえば医師は私のがんを治すことに集中してるわけですよね。でも、私の命は私のものだし、私の体は私のものだ、だから決めるのは私っていうのは、ずっとそれは徹底してました。(中略)小さい病気ですけど、何回か日本の病院にもかかったことがあって、入院したこととかあったんですけど、ホントに私、体だけもっていってる感じっていうか。お医者さん治してー、みたいな感じで行って、看護師さんどうにかしてー、やったと思うんですよ。全部委ねてた。委ねちゃってたけど、ちゃうかったなって。私の体は私のものだから、彼女たちは彼女たちのプロフェッショナルを遂行するだけでいいんだ、私の体を守るのは私なんやって、その、意地悪な意味の言葉じゃなくて自己責任っていうのを、ものすごく自分で感じた8か月間でした」

自分の身体のことに関する自己決定の大切さを、カナダで感じたというような話。医療化された自己や身体をいかに取り戻すか、みたいなことでもあるのだろう。あと、西本人も「意地悪な意味の言葉じゃなくて」と注意深く前置きしつつ、「自己責任」という言葉を使っていたけれど、これはたしかに「自己責任」の話でもあるはずだ。それはとかく「自己責任”論”」という言葉で批判的に言及される議論にも滑っていくから扱いが難しいのだけれど(だから西も注意深く語っているのだけれど)、ただ、今回の西の話は「自己責任論」と呼ばれる議論がともすれば捨て置いてきた「自己責任」に触れているような感じもあって、もう少し「意地悪な意味の言葉じゃない自己責任」について自分でも考えてみたいと思った。

 

チョコプランナー』4/24

ONE PIECE』を通ってこなかったメンバーでいろいろ語る回。武元唯衣の言葉がじんわりおもしろかった。

「私は、麦わら帽子がルフィのものじゃないらしいっていう噂を聞いたんですよ」

言及する人たちの内輪があまりに大きくなると、その外にいる人たちにとってその話題は「噂」になる。

 

『それって!?実際どうなの課』4/25

森川葵ワイルドスピード企画。今回は、瞬間ダイススタッキングさいころをコップのなかで一瞬にして立てるやつ)で芸能人最高の高さにチャレンジしたり、前回のチャレンジでリタイアした、18m先の矢のなかに矢を入れるアーチェリーの技にチャレンジしたりしていた。

このチャレンジ企画がはじまってもう3年ぐらい経つはずだ。挑戦する技も年々難しくなってきている気もする。ただ、もうこれ以上難易度があがるとさすがの森川でもできなくなる、みたいなところが見えそうで見えない、いつまで経っても見えない。一つひとつの技をあっさりと、あるいはその粘り強さでクリアしていく様子にももちろん底知れなさを感じるが、ずっと変わらず底知れなさを感じさせているのが何より底知れない。

森川「こんなもんじゃないっていうのを、いろんな人にみせていけたらいいなと思います」

TBSははやいところ森川葵が出るドラマをゴールデンないしプライムタイムにやってほしい。『感謝祭』でアーチェリーをやって、こんなもんじゃないっていうのをいろんな人に見せてほしい。

 

『ゴッドタン』4/29

激ヤバMC克服プログラム。”平場”が苦手だという東京ホテイソンとザ・マミィをゲストに、強引なMCのフリとかにどう対応するか、みたいな企画だったのだけれど、途中から、架空の大御所・大田原源蔵としてひな壇に座っていた男性(舞台を中心に活動している役者らしい)に劇団ひとりおぎやはぎが指示を出していろいろやらせる流れに。

結局、誰が誰に向けて何を克服していたのか、誰が”激ヤバMC”だったのか、東京ホテイソンやザ・マミィが本当に克服しなければならなかったのは何なのか。いろいろ企画の軸が反転する感じもあったのだけれど、そんな無軌道な流れも『ゴットタン』はひとまとまりのおもしろいものにしてしまう。おもしろかった。

 

『新しいカギ』4/29

学校の先生と漫才グランプリ、という企画が放送されていた。『新しいカギ』のメンバーが、私立の中高一貫校の先生と漫才をする企画。講堂のようなところで生徒たちを前に漫才をしていたのだけれど、どれも先生のキャラクターを生かしたものでおもしろかった。

もちろん、その学校のなかでしか通用しない”内輪ネタ”みたいなのもあるわけだけれど、この企画ではあってしかるべきやつだ。自分にもかつてあった学校の”内輪ネタ”で盛り上がる感じ。もう私のなかにあの”内輪”は当然ないわけだけれど、先生たちの漫才を見て笑う生徒たちを見ていると、かつてあった”内輪”の場所が少し温かくなるようで、うれしくなってしまう。いや、もちろん『新しいカギ』が視聴対象にしているのはティーンネイジャーみたいなところであって、「かつてあった”内輪”の場所が」なんて言ってる人間はお呼びでないわけだが。

映画『桐島、部活辞めるってよ』で僕が一番好きなのは、「桐島があらわれた」との知らせが生徒たちの耳に入ってきたときに、山本美月が演じる女子高生が見せるこの世の救世主が現れたかのような真剣な顔がアップになったり、いろんな生徒が校内を必死に10代の走りで駆け回ったりするところだ。外野からみたらどうでもいいことに必死になってる感じ。その”内輪”の感じを、懐かしさやバカらしさや共感性羞恥とともに抱きしめたくなる。そんな感じも思い出した。

そして、学校の先生にもいろいろな人がいるだろうけれど、自分の学生時代を顧みてもある種の先生はやっぱりエンターテイナーだったなと今になって思うし、そういう仕事が労働環境を理由に世間的な魅力が減退しているのだとすると、とてももったいないことだなと思った。いや、まあ、今回の学校は私学だから公立学校の先生たちとは少し状況はちがうのだろうけど。

 

『土スタ』4/29

この春からレギュラー放送がはじまったアニメ『アイラブみー』のPRで、満島ひかりが出演していた。アニメでは登場人物がたくさん登場するのだけれど、すべて満島がひとりで声をあてているらしい。

「人生って毎秒が奇跡だと思って生きてるので、私は。奇跡しかないと思ってるので。奇跡しかないことが宝石箱みたいに、アニメーションみてるとブワーッと宝石が出て、選びたい放題!みたいになるといいなとか。この時代に生きてて、たまたま歳が近くてこうやって出会えてるのも奇跡、とか。そういう感じを子どもに、なんにもない場所でも遊べるよとか、声だけでもこんなに楽しいこといっぱいできるよとかいうのも、なんか…『届ける』も『伝える』も言葉がちょっとあわないんですけど、勝手に浸透すればいいなと。溢れ出ればいいなって思って」

興味をそそられてアニメのほうも見たけれど、とてもいい幼児向けの番組だった。番組の説明によると「5歳のこどもが『自分』を大切にすることを学ぶ冒険アニメーション」。大人が見ても、なるほどこういうふうに伝えればいいのか、考えればいいのか、と、アニメと満島の声から溢れ出ているものに刺激され感じ入るところが多かった。

 

『まつもtoなかい』4/30

ゲストは香取慎吾SMAP解散後、香取と中居の6年ぶりのテレビでの共演。とてもよかった。何より、トークがおもしろかったのがよかった。

登場早々、一言も発さなかったり中居に他人行儀に接したりする、香取のザワっとさせる感じ。そんなザワっとさせる香取のアプローチを、「何言うつもりだよ」みたいな表情でノリつつ受ける中居。「踏み込んではいけないところに踏み込んでいる」というより、「踏み込んではいけないところに踏み込んでいる」のを見せるのがうまいというか。視聴者のイメージする”タブー”をうまくなでる感じというか。だからもちろん、香取も中居も、そして松本も、”この日限りのサービス”を忘れない。

香取SMAP解散して、そこからそれぞれの道を歩むときに、テレビっていう場所でのお仕事が減ってしまうかもしれないなかでも、新しいことをやってみたいっていう方向が近かったのが3人で。中居くんはもう、テレビのなかでやっていきたいようなお話もあったから、その時点でちょっとこう、進む道が違うというか」

中居「未来の見てるところが」

香取「それで実際、テレビでのお仕事がなかなか無いなかで、テレビのなかで活躍してる中居くんのことは見てたし、でもやっぱり、テレビを捨てたわけではなく、やっぱりテレビに育ててもらったっていう思いもすごくありますし、あと、ファンの方々が、んー、なんだろう、SNSがあったりいろいろなものがあるけど、やっぱりテレビでもみたいって言ってくれるファンの方々がたくさんいるんで、だからお話いただけたら、出演させてもらいたいなって思いもありながら。ちょっとこう、違うところにいるなっていう感じは」

中居「ステージがね」

松本「やっぱり俺なんかは、SMAPは驚異だったからね。うわーって思ったし。俺はお笑いだから、お笑いの人たちと戦って勝っていかないといけないと思ってたからね。そんなときにSMAPっていうのが出てきたときに、あ、エンターテイナーの本物来たなっていう。この子ら笑いもやんのやって思ったら、敵はお笑い芸人じゃもうないぜって、ホントに焦ったよね。浜田はなんも考えてなかったと思う」

本当に踏み込んではいけないところに踏み込んでしまうとそれはおもしろくなくなったりするわけで、そこをうまくいなしながら、でもちょっと触る感じも見せながら、エンターテインメントにする。そんな感じでトークがおもしろかったのが、何よりよかった。

 

連載で触れた番組

相席スタート山添、ヒコロヒー…クズ芸人たちの巧みな言語能力|日刊サイゾー

・『アメトーーク!』4/13 相席スタート・山添

・『徹子の部屋』4/14、『ボクらの時代』4/9 ヒコロヒー

 

ぼる塾の月曜ロケを「独自の考察」で振り返る|日刊サイゾー

・『私のバカせまい史』4/20

・『ラヴィット!』4/17 ぼる塾

 

相席スタート山添寛の高円寺街ブラロケと“違和感”の上書き|日刊サイゾー

・『スーパー山添大作戦』4/24

・『魔改造の夜』4/27